映画『君の名は。』を見た感想とときめき 何か、誰かを探している、きっと存在する ネタバレ含む

 普段あまり映画を見ない私が1日に3本を見るという荒業を成してしまいました。「流石に感想文でも書こうかな」という気持ちが沸き起こり筆を取った次第です。

あまり他の方が書いた記事をチェックしていないので、意見や感想が被っていたらごめんなさい。若干ネタバレ含む。

 

 大ヒット作『君の名は。』について。超感動しました。皆さんにオススメしたい傑作です。

世間の流行りものには斜に構えてしまう部分は誰しもあるものだと思いますが、例によって「なんぼのもんじゃい」「ディスったるで」というスタンスで鑑賞し、まんまと滅茶苦茶に心動かされたミーハーです。(ミーハーって本当に幸せです。)

 

 世間では既にツイッターやブログ等でネタバレや考察記事が多々公開されている状態ですが、あまり興味もなかったのでなんとなく売れているらしいという事ぐらいしか予備知識がない状態で鑑賞でき、素直に作品を受け入れられて喜ばしい事でした。

ということで考察なんかは置いといて、何に感情を突き動かされたか、の部分を記したいと思います。

 

 感想を簡単に言うと、

「今は知らない、手に入れていない、出会っていない何か(誰か)を探している。同時にそれはきっと存在する。」という未来への希望を物語を通して描いている傑作。

 

 

 

 

物語について

 ラブコメ的導入。ラブコメ好きの私としては男女が入れ替わり、それぞれの生活を堪能するというワクワク設定は堪りませんでした。私も三葉の乳揉みたいです。

中盤から「タイムリープ物」に移行し、過去改変、そしてカタルシスへ・・・。

 

 テンポの良さと男女が出会うというわかりやすく共感性のある展開設計で、非常に万人受けする作品ではないでしょうか。

但し二人が恋愛感情に発展する過程が描かれていないので、

「そもそもなんで夢の中で入れ替わっただけの相手をそれほどまで好きになり、身を振り絞って行動すんじゃボケ」という現実主義の方は感情移入し辛くあまり楽しめないかも・・・。ていうか「現実が」とか言い出したら入れ替わった時点で絶対オナニーしますよね?

 

 個人的には、テンポが良く設定がワクワクする。明確なゴールがあって困難に立ち向かいそれを達成する。という『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的なエンタメとして質の高い作品だと思います。

(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』エンタメとして最高の傑作だと思います。)

 

 

 

ときめいた部分

 冒頭にも書きましたが、

「今は知らない、手に入れていない、出会っていない何か(誰か)を探している。同時にそれはきっと存在する。」という未来への希望を描いている作品だと私は思いました。

 

 劇中でも、予告でも「君の名は〜〜〜!?!?」って叫びながら互いを探し続ける瀧と三葉がクローズアップされ、別々の場所にいる男女が恋をし結ばれるというラブストーリー的な面が強調されている様に感じます。が、やっぱりこの作品ってそこじゃないですよね?(そこももちろん面白い部分ですが。)

 

 この作品で一番感情が突き動かされた場面は、彗星墜落から5年後のシーン

ここでは瀧は三葉の事、なぜ彗星のことや糸森町の事を調べていたか、さえも一切忘れています。ただなぜか「何かを探している」。それが何なのか、誰なのかはわからないけど、何かをただ探している。

物語のクライマックスであり、最大の見どころです。

作品では最終的に二人が出会い、「探していた人と出会える」となるわけですが、その過程に重なる部分がある訳です。

 

 現状に満足している人ってあまりいないと思うんです。それは仕事だったり恋愛だったり人間関係だったり多種多様だと思いますが、なんとなく私の幸せはこんなもんじゃない、もっと幸せになる、なれるはずなんだという根拠のない希望ってないですか?

現状より良い状況にしてくれる、何かがきっとあるはずだ。それは存在するはずだ。そしてそれに出会えた時、私は幸せになれるんだ、人が無意識で持っている感情。(全員がそうとは言いませんが)

それを瀧と三葉の二人の関係性によって描いている、という所がこの作品の素晴らしい所なんです!

上記の「人の感覚」を上質なエンタメとして成立させている点が最高に素晴らしいなと感じる訳です。

 

 現実には人生が劇的に好転するような事象に出会えない事がほとんどです。

(出会っても、永続するとは限らない。)

この作品では二人が出会うことによって、成就している。つまりとても前向きで未来に希望が持てる作品だなあ、と感じるわけです。

 

というわけで 

 というわけで映画『君の名は。』は大衆向けするエンタメ性と人の感覚を描いた傑作です。

 

 

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

 

 

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)